太陽光発電と水の組み合わせ

太陽光発電には、グリッドから離れるという積極的な意味でも、また、グリッド内で低空飛行をする・・・つまり、本格的にシステムを組んで売電で月々の必要経費を減らすというどちらの意味からも興味があったのだけれど、最近近所の空き地に事業用のソーラーを建設している現場を見る機会が増えた気がしたので、なぜだろうかと少し調べてみた。

原発事故の次の年に導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度で、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束していたり、また、システムの導入そのものに国や自治体が補助金を交付したりしていたので太陽光発電は一気に導入が促進されたのだけれど、その様な導入のための優遇制度は徐々に廃止される方向ですすんでいて、来年の4月からはその再生可能エネルギーの固定価格買取制度そのものも、導入を促進する目的のものから運用を適正化するという方向に改正される(改正FIT法)のらしい。

つまり、再生可能エネルギーの設備導入のための優遇制度を利用して資産を増やすため、利回りを考慮した資本の投入先としての設置は今年度が最後のチャンスになりそうなので、最近自分が目にする太陽光のプチ建設ラッシュは文字通り「駆け込み需要」の様である。マイナス金利は先日の英のEU離脱でさらに拍車がかかっている様なので、資産を安定して運用したい様な人たちにとってはお金のやり場に困っているという事情もあるのだろう。

そんな心配をしてみたいものであるが、最初に戻って、自分のライフスタイルとグリッドの距離感というのが、これもまたなかなか悩ましいところである。

自分は最終的に60歳くらいまでには冷蔵庫を使わない様な生活をしたいと思っているのだけれど、現状で無理にこれをやろうと思うと余計に生活が複雑になりそうな予感がしている。60歳までにはあと10年ちょっとあるので、仮に今5kWほどの太陽光システムを組んで10年かけて元が取れれば、その後はもしかしたらグリッドから離れることが出来るかもしれないという様な下心も含めて太陽光の可能性には興味がある。が、FIT改正後は果たして10年で元が取れるのだろうか。

最初から独立した電源という意味での太陽光にもやはり興味があるわけで、某「12歳からとりかかる太陽光発電の入門書(やわらかめ)」なる本なども読んでみたりしつつ勉強したりしているのだけれど、実際問題としてやはり今の段階で冷蔵庫の無い生活というのは考えにくい。

わがや電力

12歳でも理解して実行できるという意味かと思ったら、12歳が読むことを前提に書いてあったので、12歳になったつもりで読んだ。

あと、エアコン。近年は夏になると地球温暖化を実感できる日が続いたりする。最悪自分はどうにかなるとして、たとえば、建物の目の前に電柱があるにもかかわらず、歳をとった犬が隣でひと晩中ハァハァ言っているという様な状況は、たぶん自分には耐えられない。

で、今はまだ先日からの妄想月間が続いているので、その折衷案とでもいうか可能性を考えてみたりするのだけれど、自分が子供の頃に住んでいた家の様に山水を引ける様な場所であれば、自作の太陽光発電と組み合わせてその辺りが解決出来そうな気がしないでもない。

というのは、子供の頃に住んでいたその家に隣接して建ててあった作業場に、当時はエアコンよりも「クーラー」という呼称の方が一般的だったかもしれないが、ある日突然大きな業務用のクーラーが出現したことがあって、あのときの感動はなかなか忘れ難いものがあるのだけれど、そのクーラーが山水を利用した水冷式のものであった。冷媒にガスではなく水を使い、水は循環式ではなく熱といっしょに捨てるという仕組みになっていた。今時この様な方式のクーラーはどうも無い様なのだけれど、自動車用のラジエーターなどで代用できるのではないかと思う。ファンを回すくらいならば、自作の太陽光システム程度の容量で何とか行けるのではないか。

冷蔵庫に関しても、常時流れている山水があれば食料の保存はけっこうその守備範囲は広くなると思う。子供の頃の家にあった流し台はモルタルの矩体にタイルを貼った様なものだったけれど、流しの隣には一体になった水槽が付属した形になっていて、野菜や果物がいつもその中に浮いていた。そういうのが台所にも家の外にもあって、水はもちろん常に流しっ放しであった。

ちなみに、今ざっと検索してみたのだけれど、田舎の物件で山水が引いてあるものもまったく無いということも無い様である。敷地に小川が流れる云々というのはまず広い山林じゃないと無理っぽいので難易度がかなり高いと思うし、山水を新たに引くというのも人間関係も含めて難易度が高そうだけれど、既設の山水付き物件はかなりポイントが高いのではなかろうか。と個人的には思う。

食料の保存に関しては、太陽光発電と組み合わせて上記のクーラーの様にもしファンを回せれば、同様に一定の温度を保たせることが出来るかもしれない。また、ZeerPotの様な気化熱を利用した保冷のシステムもファンを回すことで強制的に気化を促進して日本でも実用できるかもしれない。昔、フォルクス・ワーゲンに乗っていた頃、水平対向エンジンの真ん中にあったキャブレターから左右に伸びる長いマニホールドに、ガソリンの気化潜熱で霜が付いていたことなどを思い出す。
システムの容量や環境にもよると思うけれど、太陽光の電力で氷を作っている動画もあった。これが出来ればクーラーボックスなどが使える。

こんなことを考えていると実際に体験してみて経験的に容量などの感覚を知りたくなるのだけれど、実際のところグリッドに繋がっている状況では電力会社の電気というのはとても安いので、回収することを考えるとなかなかこの太陽光発電システムを自作するというコスパの悪い実験に踏み切れないでいたりもする。が、本当の意味での投資としての価値は大きいと思うので、近いうちに試してみたい。

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