Netflix 途中で字幕が消える…

先月、ネコを預かることになって自宅にいる時間が長くなったのでNetflixに登録した云々ということを前の記事で書いたのだけれど、インターネットの回線が繋ぎっぱなしでデスクトップの大きな画面でパソコンも使い放題という環境が久しぶりで、その後もNetflixの動画を結構な勢いで観ている。

山ではスマホとモバイル回線のみのインターネットへのアクセスにライフスタイルを嵌め込んでいて、それはそれで別段違和感は感じていないつもりでいたのだけれど、ここに来て一気に箍が外れた気もする。

で、Netflixを使ってみてこれで20日ほど経つのだけれど、その使用感などをば。

今月の頭に映画監督のマイケル・チミノが亡くなったことを知って、好きな監督だったので何か作品を観たくなって探していたらNetflixに「心の指紋」があったので、あまり深く考えずに登録したというのがそもそものきっかけだった。

ラインナップにこんなマイナーな映画があれば、きっと他にも色々あるだろうと想像したのだけれど、Netflixが日本でストリーミング配信を開始してからまだ1年も経っていないということで、本国アメリカでのサービスのイメージに対しては今のところ物足りないラインアップだというのが正直なところである。

たとえば、自分の好きなミッキー・ロークの作品を検索すると、視聴可能なものは4本で、ほとんど脇役のものばかりである。(そもそも彼の出演は脇役程度の映画が多いのだけれど。)
それとか、ゴッド・ファーザーは「2」だけがあったりする。まぁ、そのチョイスは良いとして。(爺目線) (「1」もあった。「3」は無いっぽい。)「3」も追加された様子。(9/15時点で)

まぁでもだいたい、自分の観たい映画は近所のレンタル屋さんなどでも置いてないことも多いのでこれは単に自分の好みが偏っているだけの話かもしれない。

テレビドラマのラインナップも豊富で、先日SNSのタイムラインにベネディクト・カンバーバッチの誕生日というのが流れていたので「シャーロック」を観て、アイリーン・アドラーのファム・ファタルっぷりに浸りながらララ・パルヴァー繋がりで「ダ・ヴィンチと禁断の謎」というドラマを観た。

ドキュメンタリー作品のラインナップもなかなか興味深く、前の記事に書いた「COWSPIRACY」もそうなのだけれど、「FORKS OVER KNIVES」とか「THE TRUE COST(真の代償)」「ツァイトガイスト」「The Mask You Live In」「Living on One Dollar(1日1ドルで生活)」「キャピタリズム マネーは踊る」・・・など、それぞれなかなか”濃い”ドキュメンタリー作品が並んでいる。

しかしながら、映画やテレビドラマなどの娯楽作品では問題ないのだけれど、上の様な”濃い”ドキュメンタリー作品を視聴しているときに限って、なぜかほとんど毎回、3分の1程度観たあたりから日本語字幕が反映されなくなる。字幕に関してのヘルプではブラウザのアドオンをオフにするとか書いてあるけれど、そうしても改善はされないし、そもそもその症状が現れるのはほぼ上の様な”濃い”ドキュメンタリー作品を視聴しているときに限られる。謎。

仕方が無いので、山で重めのYoutubeを観るときの様にしばらく一時停止をしながら観ている。(ストリーミングでダウンロードするとき字幕情報は映像よりも遅れるっぽい。)

ちなみに、トレーラーハウス(”trayler house”)関連で動画検索していると必ず出てくる「Trailer Park Boys」もシーズン10まであるにもかかわらず字幕が途中で途切れることは無い。

OSの割合
(追記:このページを閲覧するユーザーの約2ヶ月分のOSの割合が他のページの割合よりも偏っていることもヒントかな?とも思う。ちなみに自分の環境はmacなので、これは単にNetflixを視聴するユーザーの環境の特徴なのかもしれないけれど。)

まぁ、残念ではあるが、最初の1ヶ月間は無料体験、その後も月650円(SD:480p(720×480ピクセル)、1ストリーミング)で見放題ということで、高望みはしないのだけれど。

・・・

月額325円相当で、ダウンロードしておいてオフラインでも見れるamazonプライムビデオは山暮らしには良いかもということで現在興味津々。



字幕の表示はほとんど問題がなくなった。(以下追記 9/15)

Netflixが日本に上陸してから9月で丸1年になるということもあってか最近は新作が登場する頻度も高くなった気がするし、自分の環境では字幕が表示されないという不具合もほとんど見受けられなくなった。(環境自体は以前と同様。)試しに上記のうちの「FORKS OVER KNIVES」を再度観てみたが、以前は何度観ても同じ様なところから字幕が表示されなくなって一時停止を繰り返しながら観たのだけれど、今日は最後まで字幕が消えることは無かった。

ついでに、首記の様なネガティブな意見だけではフェアじゃない気がするので、Netflixに登録して良かったと思うことも書いておくことにする。ただ、他の同様のサービスを試したことが無いので以下の1点にとどめておく。

オリジナルコンテンツや独自配信の映像が多い

少し調べてみると、Netflixはオリジナル作品の制作・配信に力を入れているとのこと。確かにオリジナルコンテンツは同じ様なサービスに比べて群を抜いて多い様子。

そしてこれらのオリジナル作品は映画にしろ連続もののドラマにしろ、ネット配信会社が片手間で作ったチープなイメージではなく、その完成度は下手な映画やドラマに勝ってるというのが驚きである。

自分の様に嗜好が偏向している者にとっては、誰もが話題にする老舗メディアの流行の人気作品よりもこの様なオリジナル作品はなかなか見応えがある。(念のため、もちろん流行の人気作品も豊富にラインナップされている。ちなみに、同種サービスの「Hulu」は大手老舗メディアの合弁会社なので、権利的なハードルが低い分コンテンツの量や安定感はそういう意味では有利だと想像する。)

たとえば、最近観た中でとくにそういう意味でいろいろスゴいと思ったのが「sense8」という連続ドラマ。

8人の”感応者”(sensate:センセイト…テレパシーとエンパシーで感覚を共有する。これをモジって「sense8」)が主人公のこのドラマは「マトリックス」のウォシャウスキー姉妹の制作であるが、人種やジェンダーや地域間格差などを敢えて目の前に晒すことで、それを超越した本来の人間共通の気質を浮き彫りにさせる様な意図を感じる。この作品に関しては別枠で「センス8の世界を創造する」というメイキング作品が存在するが、スタッフ一同が世界各地を旅しながらそれぞれの場所で同じシーンを撮影したり(これは、マトリックスのあの有名なシーンを何台ものカメラで同時に撮影した手法にも通ずる気がする)、ハイテクに頼らずその場で役者が瞬時に入れ替わってシーンを繋げたり、ストーリーの展開にも即興性が取り入れられたりという現場の空気感の様なものが伝わってきて楽しい。何より、スタッフが楽しんでいる様子がわかる。

自分はかねてからLGBTコンプレックスという様なものを感じていて、気っ風の良さとかセンスの良さとか本当の意味での優しさとかは、この人たちには逆立ちしても敵わないという引け目というか越えられない壁の様なものを感じてきたのだが、この作品ではそのヒントというか、自分がそう感じていた原因を少し垣間見れた様な気になった。パンセクシャル的な。ちなみに、ウォシャウスキー姉妹は現在は二人ともトランスジェンダーであることを公言している人たちである。

作品としての完成度はもちろん高いが、社会的な意味で実験的な作品の公開の場としてこの様なメディアの存在価値が今後高まることを期待する。インディーズや単館系、メッセージ性の強いドキュメンタリー作品などについても同様である。

独自配信の作品としては、権利的な独占配信なのかどうかは定かではないのだけれど、印象に残っている作品でざっと調べて他のメディアでは扱っていなかったものの中に「ガール・ライク・ハー」という作品がある。いじめをテーマにしたドキュメンタリータッチの作品であるが、いじめについての環境的な主観や固定観念を見事に排除した佳作であると感じた。

ついでに、同様の独自配信の作品として「シャイン」のデヴィッド・ヘルフゴットの現在を描いたドキュメント作品「Hello I Am David!」は個人的に観ることができてラッキーだった作品。ニッチな作品を日本語字幕で観られるのは、それを観たい者にとっては想像以上に有り難いことである。

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