中古プレハブハウス+α 作業場の進捗

同カテゴリの前回の記事以降〜現在までの様子をかいつまんで。

(前記事)
https://junk-style.org/planning-small-workshop/

プレハブハウスというのが正しい呼称なのかどうかはわからないのだけれど、画像検索で同様のものがいちばん多く含まれる名称の様なのでプレハブハウスとしているのだが、ここでは要するにイナバの物置の居住性を高めてあるモデルのことを指している。大きめのスチール物置に内装や断熱材、玄関ドアやガラス窓などがあらかじめ付随した製品である。

前記事でも書いたのだけれど、当初予定していた中古コンテナやそれに準じたサイズのユニットハウスでは自分の仕事では幅が少し足りないのであれこれ考えている最中にヤフオクでこのプレハブハウスが格安で出品されていたのを見かけて、開始価格よりも3割ほど高めに設定してあったのでずいぶん迷いながらもこの機会を逃したくないと思い即決価格で落札したのだけれど、それでも40ftの中古コンテナの箱のみを買う値段と同じかそれより安いくらいだった。ちなみに、この落札価格は以前借りていたテナントの家賃でいうと約2ヶ月分にあたるのだけれど、基礎や増築やその他付帯作業にあと数ヶ月分かかったとしても、テナントを借りていた10年間に比べれば安いもの…だと自分の中で言い訳している。何と言っても固定費じゃないというのは大きい。

落札したプレハブハウスの型式は現在イナバでは既に製造を中止した「シグマスペース」というモデルで、というか、現在ではこの様な居住用のタイプ自体がラインナップから外れている。各パネルに刻印してある検品の印は03年とか04年になっているので12〜3年ほど前の商品らしい。元々の立地の方位によって外装の塗装が劣化したパネルはあるものの、塗装自体が剥がれたり錆が出ている箇所はまったくと言っていいほど無くて、また、出品した業者さんのバラし方や梱包も丁寧でバラす際に各工程ごとに写真を撮ってあったりネジ類などの小物も欠品が無く、また、新品購入当時は窓やドアはほとんどオプション扱いなのだけれど、窓の数も十分でおまけに網戸や雨戸まで付いていたりして、商品のコンディションとしてはとても良いものであった。

落札当初は出品者さんの撮った写真を参考にしてテキトーに組み立てれば何とかなるだろうと思っていたのだけれど、探してみたら幸いなことにイナバのホームページ上にこのモデルの組立マニュアルがそのままpdfでDL可能になっていたのでたいへん有り難かった。なにぶんこんなことはやったことが無いことなので、不可能ではないにしろ組立マニュアルが無かったらけっこう難儀したと思われる。

ついでなので書いておくけれど、この少し前にNetflixで観た「テイク・シェルター」という映画の中で、主人公が自宅の庭にコンテナを埋めてシェルターを作る際、コンテナの上を歩くときにベコベコと音がしてパネルがたわんでいるシーンがあって、大きな船で運ぶときは荷物を満載して8段重ねとかいう堅牢なイメージが先行していた分ちょっと違和感があったりしたのだけれど、そこに行くとやっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫というイメージがあるし・・・(笑) コンテナに100人乗るときにはたぶん外周部にぐるりと並んで腰掛けた方が良いんじゃなかろうか。底や隅は丈夫なので中には500人くらい詰められると思うけれど。(入れば。)

ではそろそろ本題に。

結局、地盤作りから基礎や土間打ち、プレハブハウスの棟上など含めた組み立てもほぼ全行程1人作業だったので、詳細な画像の記録などを取る余裕が無くて、有るものも不揃いなのでごくかいつまんで。ちなみに、年内で建物をあらかた仕上げて冬の間に引っ越しの準備に掛かれる様にという心づもりだったのだけれど、予定が遅れて現在はプレハブ外装まで仕上げ(自作予定の入り口開口部は後回し)、増築部分(ツーバイ)の1階(屋根裏を作る予定)の骨格を作ったところで雪囲いをした状態。

地均し

前回の記事の写真が↑なのだけれど、この後引き続き地均し。ここは土地造成時に盛り土したであろう部分で、谷側と長手方向で真ん中辺りに向かって緩い下り勾配がランダムについている。

鋤簾(じょれん)、手箕(てみ)、鉄梃(かなてこ)、ツルハシや一輪車を使って目視の感覚でちまちま整地。この道具は上の写真で奥の下ったところにある斜面の畑作りでも大活躍した頼り甲斐のあるシンプルで丈夫な道具たちである。

手作業整地

ある程度平面が出来てきたと思ったところで自動車で踏み固めて表面を均してレーザーレベラーで整地具合を確認。

自動車で展圧

レーザーレベラー

たまたま作業場設置予定地の下に上下水の配管が通っていたので、その位置を確認して作業場内に接続する配管を分岐・設置した。

上下水の配管確認

アスファルト片なども混じった固い土の下に埋められた配管の確認作業は塩ビ管が緩く蛇行していたりしたこともあってなかなか時間と労力の掛かる作業だった。

上水と下水の配管の確認

現在までの作業のうち、上下水管の接続は唯一本業の業者さんに頼んだ。といっても古くからの知り合いで、作業前に話をしていたら今回の作業に使う型枠やプレートランマー、コンクリートバイブなどなどを貸してもらえたり、いろいろ力添えをしてくれることになったので、そんな意味も含みつつ。

上下水配管設置

その人のツテで、レンタル屋さんで4トンダンプを格安で借りることが出来たので砕石(RC:再生砕石)を運び入れた。(砕石の販売業者もこの人に紹介してもらった。)

砕石搬入

平面のレベルを意識しながら砕石を広げてプレートランマーで展圧。4トン×10台分ほどの砕石を人力で広げるのは結構な体力勝負。

砕石を展圧

コンクリート作業は1人で作業できる程度にパートに分けてチマチマと作業を進めた。道路に対して奥側の増築部分から型枠を組んでコンクリートを打つ。当初は外周部と要所要所で根太を支える束の下にコンクリートブロックを並べて・・・という予定だったのだけれど、落札した後で相方が「真夏の炎天下などで、可能なら車庫にも使いたい」みたいなことを言い出したので、せっかくの床付きの商品なのだけれど土間コンを打つ様に予定を変更し、壁も車の出入りが出来る様に改造しなければならなくなった。1人作業なので、先に外周部の立ち上がりを作ってその後で土間コンを打つという作戦にした。

コンクリートの型枠

立ち上がり部分は生コン屋さんで空練り(セメントと骨材が混ぜてあって後は水を入れて練るだけの生コン)を買ってきて現地で練って打設。

空練りの生コン

立ち上がりを打つときにワイヤーメッシュを適当な幅に切って一緒に埋め込んでおいて、土間を打つときに土間のワイヤーメッシュを結束線で固定した。また、仕事で扱う商品が湿気を嫌うので、土間コンの厚さは十分あると思われるが念のためその下には防湿シートを入れた。

土間コン打設準備

道路側のプレハブハウス部分も同様に各パートに分割しながら施行。この頃にはすっかり冬の気配で雪がうっすらと積もる日などもあったので、外周の立ち上がりを打った後、先にプレハブの屋根を組み立ててから土間を打つことにした。

基礎立ち上がり

さすがプレハブで、朝撮った写真↑の後、半日ほどで骨格が立ち上がった↓(撮影は翌朝)。各パーツの重量は知れていたので1人でもなんとか屋根の高さまで持ち上げられる程度。唯一微妙に重量がある真ん中の桁を乗せるときに絶妙のタイミングで近所の知り合いが通りかかって寄ってくれたので、すかさず手伝ってもらって事無きを得た。組み立てマニュアルには安全のため二人以上で作業する様に注意書きがあるので参考まで。

プレハブハウスの骨格立ち上げ

補強用に各柱の近くのパネルを取り付けプレハブハウスの屋根を乗せ、ようやく土間コンの手配。この頃には週間天気予報とにらめっこで、天気と併せて最低気温が氷点下になる日もあって気をつかった。暖かくて何も降らない日を狙って生コン車を手配したのだけれど、この時期にあり得ないほどの強風のち暴風のち雨という日で、用意していたシートで養生も出来ないまま放置せざるを得ない状況になった。

土間コン打ち

雨が降り出すと、先に屋根をかけた意味がまったく無いほどの横殴りの雨+更に悪いことには、先に施行した奥側の増築部分とこのコンテナハウス部分の土間はひと続きで、それぞれ外周に立ち上がりがあるため増築部分に溜まった雨水は逃げ場が無くてコンテナハウス側に流れ込む。雨が降り出したタイミングがコテ押さえの途中くらいだったのがせめてもの救いだったかもしれないのだけれど、参考までにどうなったか書いておくと、コテ押さえしていなかった部分に水が溜まってそのままの状態で下のコンクリートが固まってゆくと、乾いた後も表面のコンクリートが上手く凝結していなかったらしく、歩く度、ほうきで掃除をする度に表面からコンクリートの粉が無限に出てくるという事態が発生した。現状も尚この状態なので、ここは今後補修材+土間全面塗装など何か対策しなければならない。

が、しかし、この時期いつ雪が積もってもおかしくないので土間コンは無視して先に進む。プレハブハウスの外装を仕上げ、残っている部材を中に運び入れると同時に作業スペースを確保した。

外装を仕上げ、部材を中に運ぶ

土間コンを打ったときの理屈で、増築部分に雨水が溜まるとまたしてもプレハブ側に流れ込むのでブルーシートで覆って雨避けしていたが、このまま雪が積もり出せばあっけなく不幸な事態が発生するだろうと想像するのは容易なので、ある程度しっかりとした骨組みを作って本格的に雪囲いをすることを考えていたのだけれど、どうせそんなことをするのなら増築部分を作った方が効率が良さそうだと思い、突貫工事で1階天井部分までを作ることにした。

そう思い立ったのが年の瀬も押し迫った頃で、急いでホームセンターで資材を調達して作業に取りかかった。

増築部分の木工事

とりあえず1階の天井までの箱を作って、仮の屋根を乗せて雨仕舞が完成するまで、写真の日付を見ると1週間ほどだった。ステキな年末年始である。

増築部分の雨仕舞

ということで、現在作業場計画はこんな感じで進んでいる。

ちなみに、プレハブの大きさは2間×4間、増築部分は結局2間×2間で合わせて12坪。40ftのコンテナ(幅8ft)が40×8=320sq.ft.(≒9坪)に対して6間×2間≒36ft×12ft=432sq.ft.で、40ftコンテナ1.3本相当となる。

このあと電気配線や内装の仕上げに掛かって引っ越しの準備もしつつ、雪が溶ける時期までには車の出入り口や増築部分の屋根と屋根裏の具体的な計画、そして、相方が煙草を吸いながら大きくため息をついたり「夢に変な長細い建物が出てきた」とか言い続けてるので、外観もそれなりに計画しなければならない。

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