このブログは思い出して気の向いたときにしか書いていないのだけど、斜面の畑と建物の横の畑はそれなりに前に進んでいる。
前に書いた「炭素循環農法」という農法はなかなか興味深く、インターネットを徘徊してみると実践している人たちも多々見かけるのだけれど、大まかな方法は確立しているが具体的な個別の方法はまだまだ手探りといった印象を受ける記述が多く、それ故賛否両論ある様だけれど、そういう背景も含めて自分の個人的な嗜好にはぴったりの様な気がする。
で、斜面の畑も、当初はセオリー通りに等高線に沿って畝を立てようかと思っていたのだけれど、畑そのものに若干傾斜を残して等高線と直行する方向に畝を立てて排水性を優先するという路線に転換したり、曖昧だった隣地との境界線を地積測量図や衛星写真、携帯のGPSで照らし合わせて確認したところ、当初思っていたよりももう少し面積を広くとれることがわかったので畑の地盤部分を拡張したりで、二度手間、三度手間の作業となって時間の割りには遅々として進行しないのだけれど、出来るだけ早く土作りもしたいという希望もあって、区画を小さく分けて随時畑の形にしていくという様な作戦にした。
ここの傾斜地は、本来の粘土質の赤土の上に、斜面の上の建物を立てる際の造成時に入れたと思われる石や廃材が混じった客土が広く覆い被さっていて、畑の地盤はその土を切り盛りせざるを得ないのだけれど、これがまた扱いにくい重い土で、コンクリート片やアスファルト片、ビニールや空き缶なども混じっているので素性が知れず作物を育てるにも不適当だと思われるし、作物を育てるための土はもともとの粘土質の赤土をその上に被せるということにしたいということも、遅々として畑の造成が進まない大きな理由である。
それでも、地盤部分の石やスギナの根っこを極力取り除きながら、つるはしの頭が隠れるくらいの深さまでは耕して、その上に赤土を被せることにした。
そんな感じでひとり悪戦苦闘する中、畑のとなりではカモシカが興味深げに眺めながら草を食んでいる。
犬たちが吠えても動じず悠々と草を食んでいるこのカモシカは、山に生えている自分たちの食料とここで育てる人間用の食料の区別ができる、分別のあるカモシカである。
と願う。
昨年秋に畑までの歩道を作りながら斜面を切り崩す際に出た赤土は、ちょうどそのころ貰ってきた籾殻と混ぜ合わせながら積んであったのだけど、ある程度の深さは欲しいので畑一面に被せるのではなく、とりあえず畝部分に入れるために木枠で仕切ってレイズド・ベッドの様な形にした。
炭素循環農法では重要な、通気性(排水性)の確保の意味でもマイナスにはならないかと思う。
以下につづく。
https://junk-style.org/carbon-cycling-farming-methods/