車の買取りの体験談(車を売った話)

2年ほど前、母が入院してしばらくした頃に、入院が長期のものになりそうで回復の見込みもほぼ無かったので、ちょうど車検の期日が迫っていたこともあって母が使っていた車を売ることにした。

この2年ほど前に中古で購入した軽自動車で、それまでは普通車に乗っていたのだけれど、体調が徐々に悪くなってきていたこともあってか、取り回しのしやすい軽自動車を選んでいた。大きな会場に何百台も中古車を集めた業者の合同イベントで購入した様で、低年式だけれど走行距離の少ない4輪駆動車で、車を買ったこと自体だいぶ後になって知らされたのでその詳細については関知していなかった。

自分は本業で中古の商品を扱うこともあるので何となくではあるけれど中古の相場が形成される優先度を想像するのだけれど、相場を作るのはまず大きく展開する大手の業者で、なので、個々の使用状況などよりも属性(メーカーや型式や製造年)によって基準が定まり、後はそこからマイナス要素として個々の状態による差異が減点される様な評価になることが多いと感じる。

なので、母の車の様に「低年式だけれど走行距離の少ない」というのは元々の評価が低いが減点はさほどでもないという解釈になるのだけれど、元々の評価自体があるのかどうかも分からなかったので母には事前に「値段が付かないかもしれない。」とだけ伝えておいた。

幸いなことに自宅から母の入院している病院までの道なりは自動車の販売店や買取業者が密集している様なところだったので、とりあえず何件か回って話を聞いてみることにした。

まず最初に行ったのは車検証にあったこの車の販売業者で、その店もたまたま病院までの道なりにあった。

住所を調べて行ってみてすこし驚いたのは、その店は母の車の様なオバちゃんの乗る軽四などは展示されていなくて、ショールームにはエラく高そうな車が置いてあった。母が購入した車は合同イベント用に用意されたものらしかった。

車買取

これはもう悪い予感しかしないのだが、案の定、即答で当然値段は付きませんとのことだった。写真を撮らせてもらってにこやかに撤収。

2軒目に訪ねたのは、外車のディーラーと中古車屋と買い取りの看板が並んで掛かっている様な店で、整備用のピットも立派なものが建っているのだけれど、これは上の店からすぐ近くにあったことと、以前友人がここで何台か車を乗り換えていたので一緒に何度か店を訪れたことがあったのが理由だった。担当者は当時と変わっていて自分が知った人はいなかったが、てきぱきとしたわりと好印象の対応でわずかながらも査定を付けてくれた。10万円ほど。

3軒目、少し気を良くして更にその足でこれもまたすぐ近くにあった大手の有名買い取り店に行った。たぶん全国どこででも名前の知れた有名な業者の店舗である。
店に入るなりいくつかの顔が「いらっしゃいませ〜」とこちらに向く。このフランチャイジーな雰囲気はすでにこれも悪い予感しかしない。案の定、1軒目と同じ結論を言うために小一時間の説明をされた。この車種の高速道路での直進安定性の話までされた。めんどくさかったので「今日は代理で来ていて決定権は無いので帰ってその由伝える」というスタンスで臨んでいたのだが、今すぐ(売ることを)決めるのであれば不本意ながら少しならお出ししましょう…という様なことを延々と続けていた。その「少し」の金額を聞くために”本部に相談してみます作戦”が始まって30分ほどかかったが、ようやく聞き出した金額は2万円か3万円とのことだった。こちらは最初からそれを聞きに行っている。

ということで、この3軒で業者を回るのは止めて、2軒目の店で車を買い取ってもらうことにした。次の日に必要な書類をそろえて店まで車を運転し、帰りは何年かぶりで路線バスで自宅まで帰ったのだが、総合的に何とも不甲斐ない様な心持ちだった。

その後しばらくして自分の車を車検に出す際、いつもお願いしている整備工場に行ってしばらく話をしていたのだけれど、ここはもともと自分の本業のお客さんの店なので車を売る際には家庭の事情をあまり説明したくないこともあって話をしなかったのだけれど、ちょうどそのとき一緒に入庫していた車を廃車にしなければならず、代わりの車を探していた条件が母の車の条件にぴったりで、条件的にも値段的にもタイミングさえ合えばとお互いに何とも惜しいことをしたといって二人で笑っていたということがあった。

結論としては、今回は条件的な制約も大きかったこともあるのでマーケットに乗せやすい売れ筋の車種には当てはまらないのかもしれないが、結局車を売った店もそうなのだけれど、自社で買い取りから整備・販売までを一貫して回している様な小規模のお店の方が、メリットを享受・分配出来る気がした。

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