ログハウスのポーチについて

自宅を建てる際やそれよりもずいぶん前からログハウスには人並みかそれよりも少し多目に興味があったので、各メーカーのカタログを取り寄せたりモデルハウスに見学に行ったりしていたことがあった。自分にとっての理想のログハウス像みたいなものも何となくあるのだけれど、この、犬たちのために探した安い土地に”たまたま”建っていたログハウスは、たまたまその条件を満たしている。

その理想の条件の最大のものは「ポーチ」と「バルコニー」で、自分の場合、極論するとまず「ポーチ」があってそこからすべてが始まる設計とか生活というのが理想である。なので、これは何もログハウスに限らないのだけれど、たとえばアメリカ南部の農家の伝統的な建築によくあるポーチなんかも大好きだし、それこそ掘建て小屋であっても理屈は同じものを求めると思う。

小屋のポーチ

で、そのポーチやベランダに自分は何を求めているのかといえば、なかなか巧い言葉が思い浮かばないのだけれど、強いて言うとすればアウターリビングとでもいうのか、要は、多くの時間をそこで過ごすことが出来る空間、あるいは、生活の各シーンのハブになる空間という様なものが直接「外」と繋がっているということに大きな魅力を感じる。

自分は別段「アウトドア」志向という様なものではないし、ましてや外の社会とはどちらかといえば「断絶」していたいくらいの内向的な傾向があるのだけれど、この「外」と直接繋がったポーチやベランダに対する憧憬はたぶん根っからのもので、ブログのタイトルの”niche”、つまり、岩の窪みとか小さな隙間的な感覚が好きなのだろうと思う。また、それと同時に、このブログのドメインとして使っている”junk-style”っぽい意味合いもどこかにあって、これも説明は難しいのだけれど「内」と「外」の境界を曖昧にしておきたいというか、せめて「内」の中のフォーマルな部分を取り除きたいとでもいうか、そんな感覚から発生している部分もあるのだとも思う。

ここで暮らし始めた当初、参考のために何十年かぶりでログハウスメーカーの展示場を見学に行った。かなりの部分で一般住宅として意識されている設計で、見栄えや使い勝手はとても良さそうなのであるが、このポーチやベランダといった部分は何処かに行ってしまった様子で寂しい思いをした。

そして、そんな意味でもここが犬小屋で本当に良かった。犬たちはこのログハウスの外も中も関係なく自由に行き来してその境界をきれいさっぱり取り除いてくれる。(人間の方は今の所は玄関で靴を脱ぐシステムとなっている。何処でも雑魚寝するにはベッドよりも布団が便利なのがその主な理由)

ログハウスのポーチ

2階のベランダは絵的にもまさに理想通りだったのだが、予想に反して使用頻度はそれほどでもない。これは階下のポーチの使用頻度があまりにも高いためなのだけれど、なので、これから数ヶ月の季節は主にツバメ専用となる。

ログハウスのベランダ

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