炭素循環農法の廃菌床について思うことなど

炭素循環農法で使用する炭素資材として真っ先に推奨されているのが廃菌床なのだけれど、昨年何度か使ってみて感じたことなどを書き留めておきたいと思う。

自分の場合、近所で無農薬栽培をされている農業の方がこの廃菌床を堆肥化して使用しているので、生のうちにそれを少し分けてもらって炭素資材として炭素循環農法の畑に入れている。

実を言えば、畑を作る前年に近所に住むこの方と知り合って、自分も小さな畑を作ってみようかと思っていることなどを話している中で肥料の話になり、廃菌床という聞き慣れない素材を堆肥化していることなどを聞いて興味を持って調べている中で炭素循環農法に出会ったという経緯がある。

この方は勉強熱心な人で、同じ廃菌床でもあちこちでその成分は違うし、成分表を開示していないところも意外と多いらしいというようなことまで教えてくれたのだけれど、その中で比較しながら堆肥にするのにいちばん良いものを選んでいて、しかもその生産者はこの地区に隣接する工業団地の中に会社があるので、調達しやすく融通も利くのだそうだ。

結構な頻度であちこちの畑にその会社のトラックで廃菌床を持って来てそのまま野積みで堆肥化しているので、一輪車に何杯分ずつかを分けてもらうのには甚だ都合が良くて有り難い思いをさせていただいている。

また、昨年はガーデン・シュレッダーを入手したり、竹チップを大量に頂いたりもしたのでいろいろと炭素資材を試してみることができた。

畑の土はまだまだ未完成の段階ではあるのだけれど、昨年そのようにして炭素資材を使ってみた中での廃菌床についての感想をまとめて今年の計画を立てていきたい。

まず、炭素資材としての廃菌床の効果というのは、これはやはりかなり良さげであるということ。自分の畑では比較のデータが圧倒的に少ないので説明のしようが無いのだが、堆肥化するために積んであるその方の畑で、端の方の廃菌床がまばらに散らばってちょうど炭素循環農法の条件にも合うほどのところに前年採り残したゴボウの葉っぱが巨大に成長している様などを目の当たりにすると、やはりそう感じずにはいられない。

では、それを簡単に自分の畑で再現できるかといえば、それはやはり少し違うということも感じた。

まず、廃菌床を好気条件下である程度土に混ぜ込むというのは簡単そうでなかなか難しい。土に混ぜ込むというのは、土に廃菌床を入れてやるという意味では多分なくて、廃菌床を土で薄くマルチングするという感じのイメージ。好気的に。廃菌床が直射日光下で剥き出しだとすぐにパサパサになってしまうが、何かでマルチングしたり植物の葉の陰などでは菌が生きて活躍できる条件になりやすい。上のゴボウの例では雑草が日陰を作っていたし、自分が作ったサツマイモの茂った葉の下の土などを見てもかなり理想的なのではないかと感じた。

ただ、嫌気的な条件になると腐敗の方向にも進みやすい。これは、使わせてもらっている廃菌床が細かく砕いたタイプのもので、厳密に菌床のみではなく子実体(きのこ)も結構多く含んだものであることが理由かもしれないが分からない。

廃菌床の取り扱いは竹チップや剪定枝などと比べると結構デリケートなイメージがあって、たとえばその堆肥用に積んだ廃菌床などはトラックから降ろしてそれほど時間が経たないうちにもその山の中に手を突っ込むと既に暖かくなっている。2日も経つと表面からすぐ下はスコップを刺すと既にドロッとして堆肥化が始まっている。また、自分の畑に少し多めに分けてもらってきた時なども、後で使おうと思って数日間15〜20センチくらいの厚みに広げて刈り草でマルチングしておいた廃菌床に黒カビが発生したことがあった。竹チップや剪定枝に比べて分解速度も格段に速いイメージで、原型をとどめなくなるまでにそれほど時間がかからないのだけれど、その分体積に対して質量が疎であるので生育途中にある程度の量を追加する場合にはその作業が困難に感じる。竹チップや剪定枝は追加する場合にも上から重ねてマルチングして少しかき混ぜる程度でいけそう。

立ち枯れた木のナメコ

写真は裏の山で昨秋撮った、立ち枯れた木に群生するナメコ。このナメコ汁もまた絶品なのだけれど今日はそういう話題ではなくて、要は畑の中でこの様な条件を作って作物を育てるための土壌中の菌を増やしたいということなのだけれど、まだまだ学ばなければならないことが山積である。

今年はこの時期本業の方の予定が詰まっていて思う様に土いじりが出来ずヤキモキしている。

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