「極東1ヘクタール法」が何気に素敵(ロシア人目線)

昨年だったか一昨年だったか、プーチンが国民に極東の土地1ヘクタールを無償で配分するという案があるという様な話をどこかで見かけて、ちょうどその頃には極東各国の領土問題が若干クローズアップされていた頃だったのでプーチンのポジショントークを多分に含んだ声明なのだろうと思っていたのだけれど、検索してみるとどうもその後もこの案は審議が進んでいた様子で、この「極東1ヘクタール」法はテスト体制で2016年5月1日から発効するのだそうだ。

1ヘクタールである。約3000坪。いいなと言っていたダーチャが約200坪足らずであるから、これは自給用の家庭菜園的な規模ではなくて収益を上げることが可能な農場としての単位を見込んだものと思われる。専業の農場としてこの面積は広いか狭いかはよく分からないが、用途は指定されていない様なので今流行りの半農半Xなどということも本格的に可能である。というか、どんな絵でも描ける。

russia

無償なのは最初の5年間で6年目以降は何らかの形で有償となる様だが、たとえば新規就農する際にもこの5年という数字はなかなか現実的な数字だと思う。ここら辺は社会主義の理想と現実のギャップを経験したロシア人が、その苦い経験を生かして辿りついたバランス点なのかもしれない。

前出のロシア人の知人はその同胞たちとの会話の中で、現在のプーチンのロシア国内での人気の高さについて権力の集中という様な意味で若干危惧していたのだけれど、この件ではその人気の高さの理由を垣間見た気がする。何も熊と相撲を取ったり虎を戯らしているのだけがその人気の理由では無いらしい。いや、自分などはその人の動物との接し方で大体判断できるとは思っているけれど。どこかに花火を打ち上げて目を逸らした隙にコソコソと権力を集中させ地味な翼賛体制を整備する、被災地の火事場泥棒の様な政府よりは余程信頼出来るかもしれない。

ロシアの領土はやはり広くて、格安航空券で行くフランス旅行などの際にはロシア語の機内上映の映画などよりも窓の下に延々と続く大地や曲がりくねった河をずっと見ていたりもした。頭の中でラフマニノフなどを口ずさむとこれがなかなかハマる。友人の同胞にはバレリーナの様な典型的なコーカソイド顔に混じってバリバリのモンゴロイド顔の人たちもいる。モンゴルとは地続きなのでそれは不思議でも何でもないのだけれど、たとえばそこに自分が混じってもそれほど違和感は無いのかもしれない。

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